研究概要 |
平成16年度は,夏期と冬期計2回の現地調査を実施し,ゴジャール・ワヒー語に関する基礎語彙収集と民俗・民族誌資料の収集作業を行った。 まず,夏期調査は2004年8月〜9月の約2ヶ月にわたって実施した。この調査では,インフォーマント調査により,服部語彙集と東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所編の基礎語彙レベルを用いた基礎語彙収集に加え,調査対象地域の夏営地への実踏調査等を行い,家畜関連用語や対象地域の栽培品種の農事サイクルに関連する用語,また,小麦栽培に基づいた祭礼用語などの,現地特有語彙の補足作業を行った。これにより,2000語(基礎語彙1500語,補足語彙500語)の語彙が得られた。 また,この基礎語彙作業の録音と補足語彙収集の継続調査を,冬期(2004年12月)に実施した。ここでは,収集済みである基礎語彙の表記と発音に関する再確認,および録音作業を行った。 今年度得られた成果は,東京外国語大学21世紀COEプログラム「言語運用を基盤とする言語情報学拠点」の助成を得て,録音済の基礎語彙部分をディスクおよび同プログラムのウェブサイト上で公開し,同言語の音韻分析部分を同COEプロジェクトの平成16年度報告書で出版する予定である。
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