研究概要 |
平成18年度は,秋期と春期計2回の現地調査を実施し,一昨年度・昨年度に引き続き,ゴジャール・ワヒー語に関する基礎語彙収集と民俗・民族誌資料の収集・分析作業を行った。 調査地は,ゴジャール・ワヒー語圏の中心地域であるゴジャール地方,また藩主国の中心であった,フンザ地方の両地点である。まず,秋期調査は2006年11月〜12月の約3週間にわたって実施した。調査内容は,おもに,前年度からの継続調査である基礎語彙収集・確認作業,および民話・民族譚等の当該言語テキストの採集,農閑期の秋〜冬期に集中する婚礼行事の参与観察とその関連事項および単語の収集であった。成果は帰国後分析ととりまとめを行い,その一部は,東京外国語大学語学研究所論集にて出版予定である(以下11を参照)。 春期調査は,2007年3月に実施し,前年度に引き続き,地域の最大の農事祭礼である播種祭に関する調査を行った。これに平行して,民俗誌・民族誌資料の採録と,夏営地名や現地通称を含めた地名を中心に基礎語彙収集を実施し,既に収集済みの語彙確認作業を,インフォーマント調査により併せて行った。なお,今年度は,秋期調査に研究協力者の同行を依頼したため,当初予定していた上記二回の現地調査にかかわるインフォーマント謝金は私費より支出した。 一昨年度〜今年度の調査により,特に基礎語彙に関して,約8000語超の語彙を採集することができたため,平成19年度に出版を行うべく.現在最終確認作業を継続中である。
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