研究概要 |
日本語の連体修飾構造は,[[太郎がt_i買った]本_i]のように被修飾名詞が修飾節中の要素である関係節によるものと,[[全員が救助された]事実]のように被修飾名詞が修飾節の要素ではない同格節によるものに大別される。本研究の目的は、統語的・意味的に依存関係の異なる二種類の連体修飾構造のうち、同格節による日本語の連体修飾構造の統語的・意味的記述を目指すものである。 平成16年度は、同格節による連体修飾構造データ収集のためのデータ・ツールの環境整備を行った後、小説などをテキスト化した書きことばデータと音声言語コーパス「日本語話し言葉コーパス」の書き起こしデータに基づく話しことばデータから、同格節による連体修飾節を受ける名詞の予備的収集を行った。この結果に基づき、同格節を補部とする名詞のおおまかな分類を行った。今後さらにこの分類を詳細化していく予定である。同時に、同格節を補部とする名詞と共起する連体形式「という」について、任意の連体形式としての談話機能に関する検討を行なった。
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