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2004 年度 実績報告書

分節音のもつ共鳴性と音節構造に関する対照言語学的考察

研究課題

研究課題/領域番号 16720098
研究機関秋田工業高等専門学校

研究代表者

桑本 裕二  秋田工業高等専門学校, 人文科学系, 講師 (40333273)

キーワード音節構造 / ソノリティ / 鼻音 / わたり音 / モーラ / 形態音韻論
研究概要

当初の研究目的のうち、特に鼻音性(nasality)に注目し、研究・分析を行つた。対象言語としてフランス語およびポルトガル語を用いたが、これは、これら2言語には鼻母音が、種類の上でも頻度の上でも豊富に存在し、形態派生上興味深い特徴を見せるからである。
フランス語の男女形交替において、語末の子音はの0/C交替をみせるが、鼻音の場合はこれがV^^~/Nで現れ、前者とは異なる特徴を有する。また、同じ交替形に対してonsetのない音節で始まる語が後続する場合、現れなかった男性形の語末子音は、後続音節のonsetとして実現され、女性形の場合も語末子音は後続音節のonsetとして再音節化を受けることになり、両者は見かけ上同じ形となる。一方これが鼻音の場合は男性形では鼻母音が保持されつつ後続音節のonsetが鼻子音で実現する。つまり、この場合の[nasal]の両音節性(ambisyllabicity)は、この交替形においては特徴的だといえる。
ポルトガル語の男女形交替や単数/複数交替において語末に[nasal]を含むものに関して、二重鼻母音の出現が極めて複雑であるが、これについては、アクセント付与とモーラ性の関係や鼻音の半母音化を許じて二重鼻母音を形成できるというポルトガル語の形態音韻論的特徴に依拠している。
さらに、流音、特に/l/との両言語における異同を検討することにより、sonorityの高い子音同士でも異なるふるまいをするということや、さらにそれぞれの言語で固有のありかたを示すということがわかり、[nasal]の特異性について様々な特徴を指摘した。
これらの研究成果については、平成17年度の日本音韻論学会での口頭発表、論文発表を予定している。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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