研究概要 |
本年度は国外・国内での第二次書誌調査を行った。 国外では、イギリスのBritish Libraryを中心に、蔵書の調査・閲覧を行い、国内では、長崎歴史文化博物館を中心に蔵書の調査・閲覧を行った。都内では、国立国会図書館・東京大学国語研究室の所蔵本を中心に資料の収集を行った。 本年度は、前年度の調査を受け、E.M.Satow著『会話篇』以外にも調査の対象を広げ、日本人による日英対訳会話書を含めて資料収集を行った。 また収集した資料の一部について、分析を開始し、前年度、資料閲覧を行った、ロンドン大学School of Oriental and African Studies図書館所蔵のE.M.Satow著『会話篇』(Kuaiwa Hen, twenty five exercises in the Yedo colloquial, for the use of students.)にみられる書き込みの検討を行った。その結果、著者旧蔵本である該当資料が、初刷本から再刷本へとあらためられる契機となった際の資料であることが判明している。 さらに、今年度の調査では、各図書館の所蔵目録にも注目し、関連資料を含めた資料の把握につとめた。 現在は、日本人による日英対訳会話書と、欧米人による日英対訳会話書の比較を通してそれらの関連性と位置づけについて検討を行っている。まだ閲覧を終えていない図書館・資料館については、できる限り、来年追加調査を行い、網羅的な調査を目指す。
|