研究概要 |
昨年度考察した「話題の人物」に対する待遇の研究で扱いきれなかった「丁寧語」について考察を進めた。 「丁寧語」(です・ます)の機能が発話場面によって異なるように見られる事実に対し,統一的な説明を与えることを試みた。「丁寧語」は「話しことば」的文脈において丁寧さを表したり,フォーマルな場面で用いられる一方で,「書きことば」的文体においては「わかりやすいソフトな(子ども向けの)イメージ」を生み出す。この事実を新聞や談話の資料に基づいて分析し,「話手・聞手との心的距離が遠であることの表示」という中心的な「です・ます」の機能が,両者を繋ぐものであることを示した。 なお,昨年に引き続き,映像メディアの言語データについて,資料整理,データベース化を継続中である。 上記経過からの本年度の研究成果は以下の通りである。 口頭発表 (第一著者) ・2006年3月「書くメディア」にあらわれる「です・ます体」のわかりやすさ(言語処理学会第12回年次大会テーマセッション,慶応大学) ・2006年3月 伝達場面の構造と言語形式-「です・ます」の諸機能と話手・聞手の共在性を手がかりに-(名古屋言語研究会第33回例会,名古屋大学) (共同研究(最終著者)) ・2006年3月 伝達場面の構造と「です・ます」の諸機能)(言語処理学会第12回年次大会ワークショップセッション,慶応大学) 論文 (第一著者) ・2006年3月「書くメディア」にあらわれる「です・ます体」のわかりやすさ (言語処理学会 第12回年次大会 発表論文集) (共同研究(最終著者)) ・2006年3月 伝達場面の構造と「です・ます」の諸機能 (言語処理学会 第12回年次大会 発表論文集)
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