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2006 年度 実績報告書

日本における文字研究史・文字意識史の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16720111
研究機関神戸大学

研究代表者

矢田 勉  神戸大学, 文学部, 助教授 (20262058)

キーワード文字研究史 / 文字意識史 / 仮名
研究概要

本年度も、昨年度以前に引き続き、近世文学研究書の原本調査作業を行った。国文学研究資料館や東京大学付属図書館等において、昨年度までの調査の遺漏を補う作業を継続するとともに、加えて新たに亀田鵬斎・清水浜臣・高橋残夢の三人の文学研究にかかわる著作に就いては特に集中的な調査を行った(高橋残夢については、岡山県立図書館・京都大学付属図書館を中心に調査を行った)。
その結果、特に高橋残夢の文学研究に就いては、音義説との関連から、あらためて国語意識史・文学研究史の上に正確に定位する必要があること、特にこれまでの定家仮名遣い派と歴史的仮名遣い派の二派の対立軸から捉えられてきた近世の仮名遣い研究史のあり方について、「音義仮名遣い」とでも言うべき領域を加えて、より多角的に記述しなおす必要があるという知見を得た。その問題については現在論文の準備中である。
また、これまでに得られた近世の文学研究に関する基礎的データは、随筆等の非研究書における文字に関する記述の集積も含めて、データーベース化を進めており、公開を目指して今後、整備を継続する予定である。
更に、文字に関する思索が研究の形式を採る以前の時代の文字意識史に関する研究も継続的に行い、今年度は、近年、文字研究市場で特別な位置を与えられてきた藤原定家の文字意識について、その書き残した書記資料から実証的に再検討した論として「定家の表記再考」を、また、更に平安時代におけるより一般的な文字意識のあり方を文字教育の実態という方面から検討した論として「平安後・末期における初歩的な書字教育のあり方について」を、それぞれ公にすることを得た。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 平安後・末期における初歩的な書字教育のあり方について2007

    • 著者名/発表者名
      矢田 勉
    • 雑誌名

      神戸大学文学部紀要 34

      ページ: 79-98

  • [雑誌論文] 「国語学史」再考-概説的記述と専門的研究をめぐって-2006

    • 著者名/発表者名
      矢田 勉
    • 雑誌名

      日本語日本文学の新たな視座

      ページ: 555-564

  • [雑誌論文] 定家の表記再考2006

    • 著者名/発表者名
      矢田 勉
    • 雑誌名

      国語文字史の研究 9

      ページ: 43-75

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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