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2006 年度 実績報告書

「行為-結果」言語化のメカニズム 事象構造、語彙概念構造の未来

研究課題

研究課題/領域番号 16720113
研究機関信州大学

研究代表者

兼元 美友  信州大学, 全学教育機構, 助教授 (90362095)

キーワード語彙意味論 / 語形成 / レキシコン / Event Structure / LCS
研究概要

18年度は、前年度までに扱ったco-composition, event augmentationの例に加え、新たに到達動詞を考察対象とし、到達動詞・達成動詞における結果事象の性質とその差異を明らかにする過程で、「行為-結果」言語化の検討を英語のあらゆる動詞類を包括できる範囲にまで拡張してきた。
到達動詞・達成動詞とは、Vendlerの動詞4分類に基づくものであるが、それに対して、両者に実質的な差を認める必要がないとする動詞3分類の立場も存在する。しかし、本研究で、両者には瞬時性以外にも、結果の性質、事象の完結性等に関して重大な差が観察されることが明らかになり、到達動詞と達成動詞を区別する必要性(動詞4分類)をサポートする結果となった。具体的には、John opened the window for 10 minutes.においてfor-句が結果状態を修飾するのに対して、^*John arrived at the station for 5 minutes.はそもそも非文法的であり、達成動詞と共有しているはずの結果事象([BECOME[y BE AT-z]])を修飾することが出来ないという点がある。さらに、状態変化を表すとされる達成動詞が真にtelic eventを表すためには、項やその他の要素による支えが必要とされ、それらの性質によってはatelicの解釈が生じる。一方、到達動詞は、項が複数である場合でも、telic eventを表すことには変わりがない。以上のことから、到達動詞のtelicityは語彙項目由来のものであり、文脈依存の傾向が非常低いのに対して、達成動詞のtelicityはその他の要素のサポートを得て成立すると考えられ、両者の結果の具現化には明らかな差が見られることが確認された。この違いを説明するため、LCSと特質構造の2つの融合し結果事象を多角的に表記する方法を、現在引き続き検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 到達動詞再考 -Achievlement Verbs Revisited-2007

    • 著者名/発表者名
      兼元 美友
    • 雑誌名

      信州大学 人文社会科学研究 創刊号

      ページ: 107-116

  • [雑誌論文] 語彙概念構造とクオリア構造の融合可能性 -事象の完結性の検討-2007

    • 著者名/発表者名
      兼元 美友
    • 雑誌名

      日本英文学会 大会Proceedings (未定)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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