研究概要 |
平成17年度の計画は次の通りである。(1)16年度に文献調査を通して構築を目指した英語教員の資質・力量向上の枠組みを完成させる。(2)同枠組みとこれまでの研究を通して構築・補強してきた英語科組織・経営の分析枠組みを統合する。また,(3)調査対象校数を拡大し,実証資料の充実を図る。そして,(4)収集された資料を分析枠組みをもとに解析することを通して,英語科経営のなかで英語科教員間にコミュニケーション志向の英語教育に関する意味が生成し,英語科教員各人が自身の指導方法や内容を改善していく過程を明らかにする。また,その必要条件を抽出する。上記計画に基づく,実績の概要は次の通りである。 1.文献調査を通して,英語科教員の資質・力量向上および英語科経営に関する理論的枠組みを構築する。 (1)英語教員の成長や実践の認知的発達に関する文献調査を通して英語教員の資質・力量向上に関する基礎的枠組みを構築し,その成果を四国英語教育学会(平成17年6月)の自由研究発表会において口頭発表した。 (2)昨年度全国英語教育学会(平成16年8月)において口頭発表した,英語科組織・経営の枠組とアクション・リサーチの関連に関する研究の成果をさらに補強し論文にまとめ投稿した。上記(1)の枠組みとの統合を図るべく,さらに関連領域の文献調査を進めた。 2.調査対象校数を拡大し,高等学校の英語科経営の実態に関する資料を収集する。 (3)SELHi校や特色のある学校を訪問し,英語科組織において作成された英語教育の目標やカリキュラム等に関する情報を収集した。同時に,英語科教員に対するインタビューや授業観察を通して,英語科を経営していく上での問題点等の情報を収集した。 (4)英語科教育が改善されていく過程の解明とその必要条件を抽出すべく,資料の整理及び分析を行った。また,質的調査手法に関する文献を概観し,調査手法に関する理解を深めた。
|