本研究では2つの側面から研究を試みている。1つは、語彙習得研究という英語教育学的な側面、もう1つはWebを用いるという教育工学的な側面である。前者については、先行研究の検討から新たな問題点を見つけ、その解消法を探るという方法をとった。具体的に言うと、過去に実施した語彙サイズ測定テストは実施方法の問題や分析方法の問題があり、その解決のために新たな語彙サイズ測定テストを試作し、より多くの被験者に対して実験を試みた。分析はまだ十分になされていないため、次年度の課題としたい。後者については、英語教育におけるコンピュータ利用の歴史的背景の検討と現状の分析、および市販されているWebページ作成用ソフトウェアの分析を行った。コンピュータを利用した英語教育(CALL)は比較的古くからあるが、以前はその性能等の制限のため、思い通りの活用は困難であった。しかし、近年のコンピュータ性能の向上により、教師が期待するようなソフトウェアの実現が可能になりつつある。特に、ここ数年のインターネット技術の発達により、Webを利用したソフトウェアは多数開発されている。本研究では、Webを利用した英語教材を教師自らが作成できるようにするということも目的としているため、市販されているWebページ作成用ソフトウェアの利用可能性について分析を行った。英語教育に限らず、学校教育におけるWebの活用が盛んになっていることもあり、誰もが手軽に教材を作成できるような機能を備えたものが市販されており、その機能の分析も兼ねてWeb用テストを試作した。次年度は、試作したものを改良し、実際にWeb上にアップロードする予定である。(685字)
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