平成16年度の助成により、必要な物品をそろえることができた。それにより、本年度は、それらを用いて調査を開始することが可能となった。以下にその手順を記す。 平成17年度4月の授業開始時に、学生に対して、文書及び口頭にて調査依頼を行った。その結果、調査に参加することが可能であると回答した学生は2年生がほとんどであった。最終的に調査に参加した学生は10名となった。 初回に、学生に趣旨を説明した後、英語の習熟度を測定する意図でCELT(簡略版)を実施した。その後、おおよそ月に1回のペースで学生とアポイントを取り、発話の録音を行った。発話に用いられた対話文は、拙博士論文に用いた対話文と同一のもので、Brazil et al.(1980)、Roach(2000)を基に作成したものである。こうすることによって、拙博士論文において収集したデータとの比較も可能となるようにした。また、発音教材からの対話文も取り入れることで、学生同士で擬似的に対話を行い、その録音も行うことができた。これらの学生に対して、最大でほぼ毎月の10回、最小で2回から3回の調査を実施することができた。 平成18年度においては、同じ学生に対しての調査を継続するとともに、これまでの調査において収集した音声データを分析し、経年におけるイントネーション使用の変化を分析・考察を行う予定である(平成17年度に収集したデータについて、今年度の学会発表を計画している)。 こうした長期的分析を行うことで、英語イントネーションにおける語用論的機能の習得過程の一端を明らかにしたいと考えている。
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