平成16年度は北野天満宮旧蔵文書・古記録目録作成を行う上で基礎なるデータの収集に努めた。まず最初に、『国書総目録』やインターネットで公開されているデータベース等を利用し、北野社関係の文書・古記録等の所蔵を確認するとともに、北野社領のあった地の自治体史を収集することにつとめた。そして、その調査を行うことによって、文書の所在についての基礎データを得た。また、東京大学史料編纂所において同所所蔵の目録および写真帳・影写本により、所蔵の確認を行うのとともに、文書の翻刻を行った。 また、まとまって北野社旧蔵文書・古記録が所蔵されている筑波大学附属図書館所蔵分と北野天満宮所蔵分について、文書1点ずつの和暦・西暦・文書名・差出・宛書等に関するデータをとり、目録を作成し、データベース化を行った。 筑波大学附属図書館所蔵分については、『北野社家日記』1〜7および『北野神社文書』(続群書類従完成会)に基づきその所在確認を行い、刊行されている部分の異同の確認と、未刊行部分の翻刻作業を行った。そして、写真撮影を行って目録を作成し、データベース化した。また北野天満宮所蔵分については、『北野天満宮 料目録』『北野天満宮史料』に基づき、中世史料部分のデータベース化を行った。 以上のような史料調査を行うのとともに、『北野社家日記』1〜6の事項索引を作成して『三重大史学』第5号に掲載し、中世北野社研究に資するためのデータ提供を行った。
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