本年度は主として関連史料・文献の収集につとめた。またそのうちの一部については実際に分析へと着手した。以下、史料群ごとに概要を述べる。 1)外交関係の史料 外務省外交史料館にて国籍法制および居留地廃止関連の史料を閲覧し、必要な部分について、マイクロフィルムに収めた。このうち国籍法制の部分については、本研究課題以前に収集した梧陰文庫にある関連史料との照合を開始した。 2)居留地関係の史料 「内地」の居留地のうち、本年度は、函館・神戸・長崎について、それぞれの土地の図書館・史料館等を訪れ、史料の閲覧・収集を行った。このうちもっとも成果のあったのは長崎であり、居留地の廃止に関する史料をデジタルカメラにて撮影した。これを受け、この史料と外交史料館の史料との照合を開始した。 3)「外地」関係の史料 主として大韓民国ソウル市にある国立中央図書館などにて、当該期に公刊された書籍・雑誌等の閲覧と複写を行った。法制をめぐる言説関連の史料収集であったが、まだ十分な分析を施すには至っていない。 4)復刻された史料 各地の史料館等が所蔵する史料のうち、基礎的な物について購入をおこなった。明治期外務省が刊行した調書と、統計史料が中心である。
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