本年度の研究実績は、以下に示す4点である。 1.大内氏関係資料のうち、これまでに公表されたすべての大内氏関係関係の著書、論文(郷土誌レヴェルのような頒布性の低いものも含めて細部にわたり網羅的に)を収集した(ただし、いまだ収集できていない資料も若干存在する)。そして、これら収集した著書・論文資料のデータベース化を進行している。ドキュメントスキャナーによるデータ化までを目標としたが、今年度は機器環境や時間の都合上、その段階までには至らなかった。 2.大内氏関係資料を所蔵する関係諸機関に赴き、大内氏関係資料(特に文字史料)の収集を図った。ここで収集した資料をベースに、大内氏研究のベースとなる大内氏奉行人一覧表の作成を試みている。この一覧表作成については、研究協力者を依頼している。この一覧表の完成は、本研究の完成年度である平成18年度を目標としている。 3.大内氏関係資料の対象を歴史的景観までも含み込んで捉えているため、大内氏関連史蹟のフィールドワークも行った。関係する歴史的景観については、デジタルカメラによる撮影によってデジタル保存した。本年度、フィールドワークの対象とした地域は、大内氏の本拠地・山口一帯と、大内氏の派遣した遣明船の目的地・北京である。 4.以上の活動の中間報告的意味合いで、平成16年11月5日に山口県立大学で開催された地域国際化フォーラム「山口・ナバラの大航海時代と国際化」において、「大内氏の国際展開-14世紀後半〜16世紀前半の山口地域と東アジア世界-」というタイトルで報告を行い、平成17年度末に刊行された本学部紀要にその原稿を掲載した。
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