本年度も昨年度に引き続き、研究課題に関する史料調査・文献収集・現地調査・発掘調査などを行うとともに、これらの活動の成果にもとづいて研究を進め、その成果を学術雑誌等に発表した。 具体的な作業としては、大内氏関係史料(大内氏関係者受給・発給文書)の収集作業を継続し、大内氏関連文献の把握に努めた。 現地踏査・史料収集活動としては以下のようなものがある。 (1)8月、大内氏関連史蹟のうち、大内館跡をはじめとする大内氏関連史蹟の重点踏査を行い、山口市教育委員会文化財保護課の発掘担当者の方と情報交換を行った。 (2)8月、根津美術館で開催された「明代絵画と雪舟展」を調査し、東京大学史料編纂書で関係史料の収集を行った。 (3)8月、環シナ海の港町・葦屋(福岡県)の現地踏査を行った。 (4)3月、福岡市美術館で開催された「九州から見た雪舟展」を調査し、大内氏時代の山口と九州地域を結ぶ禅宗ネットワークの存在を絵画史料から確認した。 (5)年に数回、太宰府市史編纂室に赴き、市史編纂室が収集した筑前地域における中世文書の現状把握に努めた。当該地区の史料には大内氏関係史料が未刊のまま大量に残されているにも関わらず、福岡県史が未刊行であることからその残存状況の把握は困難を極めているが、今年度の成果として徐々に史料の状況把握ができるようになった。 学術報告活動としては以下のようなものがある。 (1)11月、「大内氏と東アジア」というタイトルで学術報告を行った(於・山口市教育会館)。 (2)3月、「大内盛見と国清寺・香積寺」というタイトルで学術報告を行った(於・山口市菜香亭)。 以上を中心とした研究活動のために、国内旅費、謝金(データ入力など)、その他の物品費(コンピューター関係消耗品、複写費、雑誌購入費など)を支出した。
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