2005年度の研究発表としては、2005年8月に社会経済史学会近畿部会夏期シンポジウム(於大阪市立大学)で「19世紀末、〓南商人の転換-廈門におけるアヘン課税問題を中心に」という題目で報告を行った。また、礪波護・岸本美緒・杉山正明編『中国歴史研究入門』(名古屋大学出版会、2006年1月)「第10章近代 <3>社会・経済」で近年の中国社会経済史研究の動向を紹介し、アジア農村研究会編『学生のためのフィールドワーク入門』(めこん、2005年10月)「第4章 測量」でフィールドワークにおける測量の方法論を紹介した。このほか、2005年7月の中国社会文化学会大会自由論題報告(於東京大学)、同年9月の国際シンポジウム「植民地台湾をめぐる日本・中国・南洋-帝国・アイデンティティ・ネットワーク」(於北海道大学)、同年10月の国際ワークショップ"Networks and Empires : Indian Migrants/Merchants in East Asia and Beyond"(於京都大学)でコメンテイターをつとめるとともに、これらの学会等に参加した内外の中国研究者との学術交流を活発に行った。 史料調査としては、国内では勤務校のほか、京都大学人文科学研究所、東京大学総合図書館において史料収集を行った。海外では2005年7月に台湾中央研究院近代史研究所で史料調査を行い、台湾の研究者と学術交流を行った。2005年9月に中国の上海市・常州市・無錫市を訪れ、南京大学・復旦大学などの研究者と学術交流を行い、常州市図書館・無錫市図書館・無錫市档案館などで史料を収集し、文献を購入した。また2005年12月にはイギリスのロンドンにある国立公文書館(The National Archives)を訪問し、イギリス外交文書と海軍省文書を収集した。
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