平成16年度の研究活動・成果は以下の通りである。 まず、昨年度執筆した論考「畿輔での鉱・税」が、岩井茂樹編『中国近世社会の秩序形成』京都大学人文科学研究所に収録の上、刊行された。また、山本進『明清時代の商人と国家』(研文出版)に対する書評論文を発表。これに加え、三木聡『明清福建農村社会の研究』(北海道大学出版会)への書評論文も、『史林』に掲載される予定である(号数未定)。さらに、学内共同研究の一環として、近世中国の牙人・経紀に関する初歩的分析を行い、年度末に刊行された同報告書「アジアの市場の現状と背景」中に論考が掲載された。 さらに、明代中国の漕運政策を通じて北京へ移転された財物が循環するあり方をめぐって考察を進めた。その知見の一部分については、「明代の漕糧と餘米」と題する論考を執筆し、近日中に公刊される予定である。なお、現在明代・清代における漕運関連史料を収集し、キーワード・年代・原文史料等の項目を入力したデータベースを数百点集積している。データのさらなる集積・分析は、目下進行中である。 なお、学会参加等の諸活動については、概ね以下挙げる通り。 (1)5月には社会経済史学会(於大阪市立大学)に参加。 (2)7月には、明清史夏合宿(於山形蔵王)に参加。 (3)9月には、中国北京の中国社会科学院経済研究所、および上海の復旦大学を訪問、研究交流を行った。 (4)11月には、東洋史研究会(於京都大学)に参加。 その他、大阪大学にて科研費関係の研究会に複数回参加している。
|