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2005 年度 実績報告書

中国伝統社会における軍事の位置

研究課題

研究課題/領域番号 16720164
研究機関島根大学

研究代表者

丸橋 充拓  島根大学, 法文学部, 助教授 (10325029)

キーワード軍事儀礼 / 唐宋変革 / 府兵制 / 募兵制
研究概要

1.学会報告「隋唐礼制における軍事の構想」(2005年度中国四国歴史学地理学協会・東洋史部会。6月26日、於島根大学)。
本報告では、中国古代の礼制を集大成した礼典『大唐開元礼』所載の軍事儀礼のうち、練兵式典(講武)、狩猟儀礼(田猟)、射弓儀礼(射礼)の形成過程、および唐宋変革期にかけての展開過程を跡づけた。
2.雑誌論文「唐宋変革期の軍礼と秩序」(『東洋史研究』64巻3号、2005年12月)
上の学会報告のうち唐宋変革期の講武・田猟にテーマを絞って論文化した。本論文では、両軍礼を「軍事によって媒介される秩序」の表象としてとらえ、その施行状況を時代経過に即して観察した結果、次のような見通しを得た。まず唐代中期までは、各儀礼において君臣が式次第を共同遂行することにより、帝国秩序を確認・更新することができていた。しかし唐宋変革期を通じ、軍事儀礼本体よりも、皇帝からの賜与・褒賞や百官からの進奉など、儀礼終了後に行われる君臣相互の贈答行為に君臣の関心は移っていくようになる。つまり、軍事儀礼とは直接関係のない個別的互酬関係が「軍事によって媒介される秩序(ないしは君臣関係)」を支えるようになったことを明らかにした。
なお、『大唐開元礼』から唐宋変革期にかけての国家儀礼をあつかった本年度の分析は、時系列の面では『大唐開元礼』に至る軍礼の形成過程を遡って追跡すること、社会構造の面では「軍事によって媒介される秩序」が臣下・百姓にどう受け止められていたかを解明すること等を通じて補完されるべきものである。こうした側面にも目を向けていくことが今後の課題となる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 唐宋変革期の軍礼と秩序2005

    • 著者名/発表者名
      丸橋 充拓
    • 雑誌名

      東洋史研究 64巻3号

      ページ: 34-66

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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