研究概要 |
本年度は、本研究の中間年度にあたるため、主として前年度に収集した史料の読解と分析、研究遂行に必要な新規の史料収集と読解、関係文献等の購入、並びに研究遂行上必要となる備品の購入をおこなった。具体的には下記の通りである。 1.イギリスNational Archives及び台湾・国史館台湾文献館で収集した史料の読解 前年度に収集した上記史料の読解を継続した。 2.外務省外交史料館での史料収集 10月31日〜11月5日の日程で、外務省外交史料館所蔵の「外交記録」のうち、本研究遂行課程で注目してきた淡水港をめぐる英日間の交渉史料を中心に収集した。とくに、1896(明治29)年より施行された「清国人台湾上陸条例」や「臨時検疫規則」をめぐる史料からは、淡水駐在英国領事と台湾総督府とのやりとりが明かとなるため、現在分析をすすめている。 3.国立民族学博物館地域企画交流センターでの史料収集 2月12日〜16日の日程で、国立民族学博物館地域研究企画交流センター図書室所蔵の「英国議会資料」のうち、1860年代〜1890年代の在福建英国領事館関係史料(一部は保存状態が悪く複写不可能)を収集した。また、福建と台湾に直接関係する清仏戦争関連の資料も収集することができ、1880年代後半のイギリス極東政策における福建・台湾それぞれの位置づけを比較考察すべく分析中である。加えて、イギリスが中国各地に領事館を設置した当初の予算的裏付けやその目的を記録した、いわば「領事館設置関係史料」を発見・収集でき、本研究の第二の目的である在台領事館とそれ以外の領事館との比較研究を鋭意すすめている。 4.備品その他の購入 『清国行政法』、『British Documents on the Origins of the War,1898-1914. Vols.1-7』等の文献、及び収集史料の整理に必要な消耗品を購入した。
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