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2004 年度 実績報告書

西日本縄文社会の動態に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16720188
研究機関九州大学

研究代表者

石川 健  九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 助手 (40332837)

キーワード縄文時代 / 先史社会論 / 集落構造 / 土器分布圏 / 北米北西海岸狩猟採集社会
研究概要

本研究において主要な対象とする、西日本縄文時代後半期は、東日本由来の文化要素が波状的に西漸する時期であり、また、後続する弥生時代開始期も韓半島からの稲作農耕に関する文化情報が体系的に流入する時期といえる。つまり、西日本縄文時代後半期は長期的にみて異文化接触と文化変容が顕著な時期といえる。本研究は、当該期における他地域からの影響による所の大きい文化変容の動態と社会動態の相互関係について、集落遺跡における空間構造の分析、隣接分野における社会モデルの比較検討という項目を軸に、明らかにすることを目的とする。
今年度は上記のような先史社会論を進める上で近年重要な社会モデルとして採用されることの多い北米北西海岸地域狩猟採集民社会の民族誌モデル、及びその縄文時代研究への適用の現状についての批判的検討を行い、縄文社会論研究の現状と問題点についての整理を行った。その結果、先史社会論を行う上での民族誌モデルの適用に際し、(1)民族誌自体の歴史性についての検討の必要性、民族誌モデルと考古事象を接合するミドルレインジ・モデルの体系的構築の必要性が、縄文社会論を構築する上での大きな問題となっていることを明らかにした。
また、このような社会論構築の基礎的作業として、上記のような研究現状の批判的検討を踏まえた上で、当該期の九州地方における土器からみた地域性についての議論と集落構造からみたよりミクロなレベルでの社会編成の問題について検討を行った。現段階では、九州地方を中心とした西日本における縄文時代後・晩期を前後する時期については社会編成がより複雑化していくものと考えたが、それは近年議論されている社会の垂直的格差の増大というよりは、むしろ水平的な社会の分節化が進展しているという点について明らかにした。
これらの研究成果の一部は、昨年夏韓国・大田で開催された東アジア考古学会において口頭発表を行った。また、狩猟採集民社会民族誌モデルの先史社会論への援用にかかわる諸問題についての研究及び、それらを踏まえた個別研究についての論文を現在準備中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] カナダ北西海岸狩猟採集社会研究の現状-縄文時代社会論にむけて-2005

    • 著者名/発表者名
      石川 健
    • 雑誌名

      東アジアと日本-交流と変容-九州大学21世紀COEプログラム(人文学)東アジアと日本:交流と変容 第2号(印刷中)

  • [雑誌論文] Transformation of pottery style structure and regionality during later Late and early Final Jomon period in Kyushu area, Japan2005

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa Takeshi
    • 雑誌名

      Interaction and Transformations : Bulletin of Japan Society for the Promotion of Science21st Centry COE Program(Humanities) Vol.2(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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