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2006 年度 実績報告書

農山漁村における空間分類体系の社会階層差とその社会経済的条件

研究課題

研究課題/領域番号 16720199
研究機関大阪教育大学

研究代表者

今里 悟之  大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (90324730)

キーワード区費 / 同族 / 家格 / 社会階層 / 信州諏訪地方
研究概要

本年度は,村落の社会経済階層に関する課題に焦点を絞り,平成16年度の研究成果の一部を直接受けた形で,家格秩序の問題を扱った。具体的には,長野県下諏訪町萩倉の明治末期から戦後の高度経済成長期までを対象に,区費等級割の戸別の賦課額を検討し,時期別の賦課基準を推定した上で,賦課額の順位パターンの変遷に表れた家格秩序の変動を明らかにした。区費等級割は,集落内部で各戸がどのように主観的に相互評価されているかを知る,格好の指標でもある。
萩倉では,大正期以降に,区費が賦課されるようになった。区費の等級割は,大正期から昭和初期までは,所得と水田所有に代表される経済的基準に依拠していた。この時期には,水田などの土地が,各同族の総本家や準本家を中心に集積され,経済力に基づく社会秩序が家格の秩序ともさほど矛盾しなかった。戦後期になると,上記の経済的基準に加えて,役職歴なども総合的に勘案された見立割となり,農地改革による水田所有の平準化や,分家層の所得や政治的地位の上昇もあって,家格の序列とも齟齬をきたす部分が増えていった。
この区費等級割の,戦前から戦後への移行における,8つの同族内での賦課額の順位パターンと家格との相関の変動は,(1)ほぼ順からほぼ順(4同族),(2)おおむね順から不規則(3同族),(3)逆から逆(1同族),の3類型に要約し得た。従来の説とは異なり,区費の見立割においても,(2)や(3)のように,家格という旧来の社会秩序が,さほど尊重されないことが生じ得ることが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 区費等級割にみる同族型村落の家格秩序変動-諏訪地方萩倉集落を事例として2006

    • 著者名/発表者名
      今里悟之
    • 雑誌名

      村落社会研究 13巻1号

      ページ: 13-24

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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