研究課題
本研究は、取締役・執行役等の会社に対する民事責任制度のあり方について研究することを目的とするものである。平成17年度においては、当初想定していなかった法改正や新規立法があったことから、研究計画を多少変更し、平成18年5月から施行される予定の「会社法」における会社役員らの責任制度や、証券取引法に新たに導入された課徴金制度などについて主に研究を行った。近年では、とくに大規模公開(上場)会社の取締役や執行役らについて、会社に内部統制システムを整備すること、そして、その状況について適切な監視・検証を行うということが、彼らに法的に求められる主要かつ重要な職責であると考えられるようになってきている。そのため、本研究では、今後、会社に整備することが法的に求められる内部統制システムと、それに対する取締役や執行役らの関与のあり方について研究を行った。なお、この点にかかる研究については、委員会(等)設置会社における監査委員会の監査のあり方を示すガイドラインである監査基準(平成17年9月、日本監査役協会策定)の策定作業に関わらせて頂く機会を得たこともあり、そうした場においても大いに活用することができた(また、同監査基準については、その解説のための論稿を執筆する機会も得た)。さらに、近時では、企業買収事案の増加により、会社が採用しうる企業買収防衛策についても注目が集まるようになってきている。この点についても、そうした防衛策を導入する際の会社役員らの判断が責任論と大いに関係してくると考えられることから、本研究では調査・研究を行った。現時点では、上記の研究について、まだ十分なアウトプットが出せていないと考えているが、今後も、会社役員等の責任に関のあり方について、わが国のみならず諸外国の動向も踏まえながら調査・研究を行い、発表していく所存である。
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月刊監査役 (上)509号,(中)510号,(下)511号
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企業と法創造(早稲田大学21世紀COE《企業法制と法創造》総合研究所) 1巻4号
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