研究概要 |
本研究は3年間にわたるプロジェクトであるが、研究2年目の平成17年度は、アメリカの都市再生とシティ・マネージャー制の関連について実態調査をした。中心市街地の再生事業で成功し、またハイテク産業などの産業育成にも成功している、テキサス州ダラス市、フォートワース市、オースチン市において、自治体職員、シティ・マネージャー、市議会議員、市商工会議所職員、ダウンタウンの商店主などにインタビューを行ない、シティ・マネージャー主導の経済活性化策の実態と成果について現地調査を行なった。その結果、例えばダラス市のように公選の市長を中心とする都市の場合もシティ・マネージャーを採用して、都市のマスタープランや経済再建計画に専念させていることが、成功の鍵となっていたことや、オースチン市のように、地元の有力州立大学であるテキサス大学との連携を深めながら、効率的な都市計画を行なっていることなどが明らかになった。経済成長著しく、人口も増加しているテキサス州の成長都市におけるシティ・マネージャー制の成功要因について現地の実態を踏まえながら、詳細に検討することができた。昨年度から行なっているこのプロジェクトの研究成果の一部は、2005年6月4〜5日に京都大学で開催された、アメリカ学会第39回年次大会にて、「シティ・マネージャーとアメリカ地方政治-理念と実際」として報告した他、2005年8月1〜3日に立命館大学・衣笠キャンパスで行なわれた、第10回京都アメリカ研究夏期セミナーにおいて、"Institutions, Demographics, and American Urban Policies : A Quantitative Analysis of the Policy Consequences of Urban Reform."として報告を行なった。また同報告を加筆修正し、Proceedings of Kyoto American Studies Summer Seminar, August 1-3, 2005, ed. Hiroshi Yoneyama (Kyoto : Center for American Studies, Ritsumeikan University, 2006において研究論文として公表した。
|