(1)沖縄県立公文書館所蔵・アメリカ国務省文書 沖縄県立公文書館に所蔵されているアメリカ国務省文書の調査及び収集を行った。本年度においては、とくに、1960年代における国務省の対日政策が記されているものに重点を置いた。アルバイトを雇い、沖縄県立公文書館での作業を進めてもらった。現在は、複写した資料の整理を行っている段階であり、本格的な解読・分析は、今後行うこととする。 (2)外務省史料 外務省情報公開を利用して、資料の入手を試みた。そのなかで、とくに、池田勇人首相の沖縄観を示すものが目を引いた。また、佐藤栄作首相が行った二度にわたる東南アジア訪問に関する記録も入手した。アジア各国首脳との会談で、沖縄問題がどのように取り上げられているのかについて、来年度、調査を進めたい。 (3)アメリカ国立公文書館、ケネディ・ライブラリー調査 アメリカ国立公文書館では、基礎的作業として、資料群のインデックスを入手した。ケネディ・ライブラリーでは、ケネディ政権の対日政策に関する資料を入手することができた。その本格的な分析は、来年度に行う。 (4)研究成果の公表 研究初年度であるため、本研究事業の本格的な成果を発表するには至っていない。だが、本研究に関連するものとして、沖縄国際大学米軍ヘリコプター墜落事件を事例としながら、本研究の意義、あるいは今後の歴史研究の課題について指摘する論考を、日本同時代史学会で報告し、さらに『沖縄タイムス』と『沖縄法学』に発表した。
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