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2004 年度 実績報告書

価格リーダーシップがカルテルの安定性に与える影響に関するミクロ経済理論的分析

研究課題

研究課題/領域番号 16730103
研究機関青山学院大学

研究代表者

石橋 郁雄  青山学院大学, 経済学部, 講師 (30365035)

キーワードprice leadership / collusion / cartel / repeated game / endogenous timing
研究概要

本年度は企業間の生産規模に制限がある価格競争(price competition with capacity constraints)モデルを用いて、価格リーダーシップがカルテル行為として機能するメカニズムを提示することに成功した。より具体的には、企業が極端には将来を重要視しない場合(discount factorが1よりもある程度小さい場合)、価格リーダーシップを利用しない場合よりも、価格リーダーシップを利用した場合の方が全ての企業がより高い利潤を享受できること、大規模企業がリーダーとなった場合の方が小規模企業がリーダーとなる場合よりもカルテルが組みやすいことを示した。これらの結果は現実の価格リーダーシップで観察される多くの基本的性質と整合的であり、価格リーダーシップ規制に理論的基礎付けを与える上で意味のあるものと言えよう。
以上の成果は、既に"Collusive Price Leadership with Capacity Constraints"と題した論文にまとめ、国際的に評価の高い専門学術雑誌"International Journal of Industrial Organization (IJIO)"に投稿した。本論文は、IJIOのeditorやanonymous refereeからも高い評価を受け、現在、修正要求を受けて改定したものを再投稿している段階にある。
また、上記論文の研究を進めていく過程で、企業間の生産規模に制限がある価格競争といった限定された市場構造だけでなく、広範な市場構造を想定したより一般的なモデルを用いても、同様の結果が得られる可能性があることが明らかになった。現在は、この拡張的研究を完成させるための準備的研究に取り組んでいる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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