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2006 年度 実績報告書

等価尺度を利用した社会保障制度の定量的再検討

研究課題

研究課題/領域番号 16730114
研究機関北海道大学

研究代表者

高木 真吾  北海道大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (10326283)

キーワード計量経済学 / 政策効果 / 医療保険制度
研究概要

本年度の研究では,"Physician・patient Interaction and the Provision of Medical Services Under Different Co-payment Schemes"(University of Tsukuba, Department of Social Systems and Management, Discussion Paper Series No.1150)(共著)という論文を作成し,医療保険制度変更に伴う医療受診・医療サービス供給行動に関する理論的,定量的分析を行った.自己負担率を所与とし受診によって自らの効用を高める患者と,受診する患者に複数種の診療サービスを提供する医師の行動モデルを構築する理論分析を行った.その結果,自己負担率の変更によって患者に対して提供される医療サービスの種類によっては変化が生じる可能性を指摘された.具体的には,自己負担率の減少する患者に対して,健康水準には直接的な影響を持たないが,診療に対して補助的に用いる診療サービス(例えば,検査や画像診断など)がより多くて供給されることなどが示された.こうした理論仮説を,老人保健制度の自己負担方式が定額負担から定率負担へ変更される2000年1月の直前と直後の時期のレセプトデータを利用し定量分析を行った.負担率が減少するグループに対しては確かに検査,指導などのサービス供給が増加し,それ以外では減少しているなどの医療受診・サービス提供行動の変化がデータから確認された.この論文は共著者によってEuropean Economic Association & Econometric Society 2006 Parallel Meetings(2006年8月オーストリア開催)等の学会で報告され,現在学術雑誌に投稿中である.
また,政策変更の効果に関する定量的分析を行う上で処置効果(treatment effects)の計測は重要な位置を占めているが,この方法に関する計量経済学上の研究も行った.具体的にはスイッチング回帰モデルの最尤推定に関する研究と,その体系における処置効果の漸近分布の導出を行い,実際の電力調達に関する入札データに適用した.従来参入が規制されていた分野への新規企業の参入方法として競争入札によるものが考えられるが,本当に入札制度を導入することで自由化の成果としての電気料金の低下が存在するのかという政策効果を計測する「小売電力入札における応札意思決定と自由化の競争促進効果」(共著)という論文を作成し,2007秋に学会報告を行うため投稿中である.

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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