平成16年度は、まず、HS9桁分類の詳細な日本の輸出統計を収集・整理し、実証分析のためのデータ・セット構築を行った。同貿易統計を用いると1988年から現在までの月次データが入手可能であるが、HS9桁分類の非常に細分化された輸出品目ごとに、輸出相手国別のデータを収集することはかなり困難な作業であった。整理したデータの時系列的特長をチェックするとともに、必要に応じて他の輸出品目をサンプルに含める作業を繰り返した。今回は、できる限り多くの輸出品目をデータ・セットに加えるよう試みたが、HS9桁分類の輸出品目を用いているため、長期の月次データを収集できる品目は限られてしまった。そこで、輸出相手国の数を増やし、分析の対象期間は短くてもパネル分析を行えるようデータ・セットを新たに構築する作業も進めている。なお、すでに長期の時系列データが取れた輪出品目については、簡単な回帰分析も行って推定結果を出している。 また、本研究の成果を平成17年度に発表するための作業として、論文のAbstractを作成し、海外の国際研究集会(2005 International Congress on Modelling and Simulation)への投稿を行った。3月に学会より受理の通知を受け、本年12月の国際研究集会で論文発表を行う予定である(論文タイトル:"The Empirics of Exchange Rate Pass-Through : The Case of Japanese Exports")。
|