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2004 年度 実績報告書

自動車リサイクル法がELVの処理・リサイクル関連業界にもたらす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16730151
研究機関北海学園大学

研究代表者

浅妻 裕  北海学園大学, 経済学部, 講師 (70347748)

キーワード自動車リサイクル法 / ELV / 中古車輸出 / 地域環境汚染 / 業界再編 / ASRリサイクル / 垂直的統合 / 協業化
研究概要

自動車リサイクル法の施行に伴って、ELV処理・リサイクル関連業界は大きな業界再編の過程にある。特に自動車解体業へ新規参入が激しい。北海道では大手鉄スクラップ業者がこぞって自動車解体業に参入した。ASRリサイクルに参入する業者もおり、鉄スクラップ業は上流、下流双方へ事業の範囲を拡大し、いわゆる垂直的統合の経済的メリットを最大限引き出そうとしている。また、法策定の過程では想定されていなかったと考えられるSS(サービスステーション)運営業者からの進出も見られた。筆者が調査した結果、自動車解体業とは一件無関係なSS運営は、参入に極めて有利に働き、道内の業界再編に大きな影響を与えるものと推察された。
一方、既存の業者も協業化を進めている。少ない経営資源を、ノウハウの蓄積があるため有利とされる中古部品販売に振り向けることによって、生き残りを図ろうとしている動きが見られた。しかし、業者の大幅な淘汰は避けられず今後の社会経済的影響が懸念される。
自動車リサイクル法は、中古車の輸出ドライブをかけるといわれている。中古車の輸出に関わる業界も大きな再編を迎えると考えられる。ただ、中古自動車輸出関連のデータ不足を始め、この業界やデータの全貌を明らかにするのはここまでは困難であった。今後いっそう時間・費用をかけて調査していく必要がある。すくなくとも、現状が続けば、日本から輸出されている中古自動車が、輸出先で深刻な地域環境汚染を引き起こしかねないことを指摘しておく必要がある。今年度調査したロシア・極東地域は、日本からの中古車フローが一貫して増大しており、現状が改善されないようであれば、国際問題に発展する可能性もある。今後、適切な国際リサイクルの構築も視野に入れて、現行制度を改善していくべきである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] ELV処理・リサイクル産業の再編に関する研究-自動車リサイクル法施行の影響を中心に-2005

    • 著者名/発表者名
      浅妻 裕
    • 雑誌名

      開発論集 第75号(印刷中)

  • [雑誌論文] ロシアの自動車リサイクル事情(特集:自動車リサイクルと海外事情)2005

    • 著者名/発表者名
      浅妻 裕
    • 雑誌名

      環境と公害 Vol.34, No.3

      ページ: 9-13

  • [雑誌論文] 北海道における自動車解体業界の再編動向2005

    • 著者名/発表者名
      浅妻 裕
    • 雑誌名

      月刊整備界 Vol.36, No.4(印刷中)

  • [雑誌論文] ロシア極東地域における自動車リサイクル事情[前編]2004

    • 著者名/発表者名
      浅妻 裕
    • 雑誌名

      月刊整備界 Vol.35, No.12

      ページ: 24-26

  • [雑誌論文] ロシア極東地域における自動車リサイクル事情[後編]2004

    • 著者名/発表者名
      浅妻 裕
    • 雑誌名

      月刊整備界 Vol.35, No.11

      ページ: 24-26

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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