研究概要 |
本研究の目的はホワイトカラーを対象とし各職種に適した人的資源管理を探求することである。その目的を果たすために、職務特性モデルを援用した各職種の分類、各々のグループとモチベータやキャリア意識といった心理的特性の関係分析、心理的特性の差異と人的資源管理諸施策に対する認知の関係分析などを行う。 本年度は、前年の文献サーベイをさらに深めることを行った。具体的には、人的資源管理論、組織行動論、発達心理学、教育学など本研究に関連する学問分野の文献調査を深めた。 さらに、企業調査を本格的に開始した。プレ調査及び文献レビューの結果をうけ、従業員へのインタビュー調査を行い分析枠組みの構築を目指した。インタビュー調査は4社20人以上に行った。インタビュー調査は音声及び文書によってすべて記録し、質的調査法に則って質的分析を行った。その結果、ロイヤリティや、職務特性などには職種別な差異が存在していることを明らかにした。これを受けて、その違いが企業の人的資源管理上、考慮すべき問題か否かについて検討を深めた。また、職種にかかわらず、いわゆる組織市民行動が職場で求められている事実を明らかにした。さらに、リーダーシップについても非常に重視されている事実を明らかにした。 このプロセスは次年度に行う実証研究の準備段階にもあたり,質問表作成の資料となった。なお、インタビュー調査に際しては、調査先企業の人事部門あるいは労働組合を介し事前の同意を得たあとに行うことで、トラブルの防止に努めた。 このような結果を踏まえ来年度は、調査をさらに進め分析・検討を深めていきたい。
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