本年度の研究において、家庭の諸事情(家族の他界など)により、研究を思うように進めることができなかった事情があり、最終年である来年度には集中して研究を進めていきたい。 景気回復により、現在では雇用情勢も明るい兆しを見せており、企業の採用意欲も向上している気配である。経済状況に大きく左右される研究テーマであるために慎重に調査研究の方法を模索してきた。 本年度は、実証調査に必要な質問表の開発とアンケートの対象企業の選定作業を中心に進めてきた次第である。本来ならば、調査を実施し分析作業をしなければならないが、インターネットによる質問表の開発において、個人情報保護やセキュリティ管理について、具体的な方法と解決策を得ることができずに、質問紙による調査への変更も検討している。 本研究における文献研究では、ニート問題をはじめとする職業観変化や勤労意欲低下、そして求人・求職のミスマッチに関連するキャリアマネジメント、若年労働者の学力不足による労働回避などを中心に、経済経営学の分野のみならず、社会学、教育学、心理学の視点からも若年層の労働意識について考察を重ねてきた。本研究のテーマである国際ビジネスキャリアを求める人材の進路選択意識を解明する手がかりに、「自己実現」という個人の心理的欲望との関連に着目し研究を進めている。 自己実現の中に国際ビジネスキャリアがどのように投影されるかという点を本研究では合わせて明らかにしていきたい。
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