平成16年度は3ヵ年にわたる本研究の準備作業期間として位置づけられる。つまり、(1)現地調査の準備作業、(2)資料収集、(3)研究コンセプトの形成が平成16年度における本研究の到達点である。以下、これら3点にわたり平成16年度の研究実績を概括したい。 まず、(1)については、平成17年2月22日より3月6日まで調査候補地である南アフリカのヨハネスブルグ、ケープタウン、ダーバンの3大都市を訪問し、予備調査を実施した。具体的には、主要経済団体(BUSA、Chamsa、Nafcoc、Cape Regional Chamber of Commerce and Industry、Durban Chamber of Commerce and Industry)、通産省、研究機関(国際問題研究所、ウィッツウォタースランド大学、ヨハネスブルグ大学)、企業家、ジェトロ・ヨハネスブルグセンター等、計13件のインタビューを行い、現状の把握、調査協力、資料収集を行った。この予備調査を通じて2006年2月に予定している本調査の環境が整った。 (2)については、上記現地調査において各訪問先で最新の資料を入手するとともに、現地の書店を精力的に回り本研究に関連する書籍を入手した。 (3)については、現地調査によるインタビューを通して、南アフリカでは黒人の経済力向上とも訳すことができるブラック・エコノミック・エンパワーメントが企業社会において重要な概念となっていることと、黒人企業のガバナンスを研究していくのが現地ニーズとも合致していることが確認できた。例えば、主要経済団体である南アフリカ商工会議所連合会(Chamsa)は本研究に大変興味を示し、成果を同機関で発表してほしいという要望があった。 平成17年度は、これらの研究実績を踏まえて、本格的な研究を展開していく予定である。
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