平成17年度は3ヵ年にわたる本研究のなかで情報収集の年と位置づけられる。つまり、論文作成や口頭発表のための現地調査を通じたインタビューおよび資料収集をすることが平成17年度における本研究の到達点であった。以下、これら点に対する平成17年度の研究実績を概括したい。 平成18年2月26日より3月11日まで南アフリカのヨハネスブルグ、ケープタウン、ダーバン、プレトリアの4都市を訪問し、現地調査を実施した。具体的には、主要経済団体(BUSA、Chamsa、Durban Chamber of Commerce and Industry)、大統領府、研究機関(国際問題研究所、ヨハネスブルグ大学、EDGE-institute、正義和解研究所)、企業家、労働組合、ジェトロ・ヨハネスブルグセンター等、計20件の訪問・インタビューを行うことができた。中でも、ダーバン地区の5つの黒人中小製造企業を訪問し、ガバナンスや企業経営について質問できたこと、南アフリカの経済政策にキーパーソンである大統領府経済局長のハッシュ博士や南アフリカ最大の労組のチーフエコノミスト、著名な経済学者のゲルブ教授と意見交換できたことは大きな論考をまとめる上で貴重な知見をえることができた。また、同現地調査において、ケープタウン大学、企業図書館、現地書店から本研究において不可欠な資料を多数入手することができた。 平成18年度は、これらの現地調査の成果を取りまとめながら、学会等の場でコメントを得ながら研究水準を引き上げていく予定である。現時点で、平成18年5月に日本アフリカ学会全国大会、同年6月に国際開発学会春季大会において本研究テーマで口頭発表することが決定している。
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