研究概要 |
(1)調査実施状況 平成17年度は,前年度からの調査準備によって一気に進められた.調査実施企業は鯖江市の眼鏡関連企業で12社,関連団体で3カ所の計15カ所である.平成18年度にはテープリライトの実施とともに理論的な分析と論文化が予定されている. また産業集積のみならず,一般企業においても,協働形成のプロセスが認められる事例を収集している.株式会社アニコムインターナショナルおよび,医療法人社団良癒会の事例である.株式会社アニコムインターナショナルは,動物保険で高シェアをもつ企業であるが,その起業及び立ち上げプロセスに社内外の人間の濃密な相互作用と協働が認められる事例である. 医療法人社団良癒会は医療法人という非営利組織かつ医療保険によってサービス価格を統制されている業界にありながらも,独特のシステムで高収益を実現している事例である.この良癒会の改革プロセスにもはっきりと社内外の協力者が介在することが事例から明らかになっている.さらにこの良癒会の事例は調査の結果,中小企業の改革プロセスとしても大きな示唆を持つことが明らかになっている. 市民活動についての事例は一団体,3インタビューを実施することができている.これは北海道ない並びに全国に数百あるという踊りのチームの中でも傑出したチーム運営能力を持つ団体のマネジメントを明らかにするという意図が存在する.短期間ではあるが複数回のインタビューを実施し,さらに関連の資料を提供してもらうことができている. (2)理論研究実施状況 現在,理論的混乱状態にあるとおもわれるネットワーク理論についての論文をまとめている(提出済み,近日掲載予定)また調査に基づいた理論化のため,インタビューについては順次テープリライトが進められており,現在進行中である.上記の調査によって収集されたデータは計画通りグラウンデッドセオリーアプローチによって理論構築のために活用される.
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