平成16年度:研究実績の概要 (1)国内外における先行研究レビュー ブランド論における自己表現研究に留まらず、自己表現に関わる既存研究として消費者行動における自己研究(自己表現中心:自己表現による自己概念への影響、消費者行動との関連など)、象徴的消費、顕示的消費、心理学、社会心理学、その他関連分野における関連研究のレビュー等を行い、検討を行った。 (2)定性的な調査:一対一のデプス・インタビューとレポート形式による調査 大学生男女を対象として、使用・所有しているブランドに対する消費者の意識や態度に関して、自己表現に関わる部分を中心に、当該ブランドと自身との関わり方等について定性的な調査、具体的には、一対一のデプス・インタビューとレポート形式による調査を行った。 (3)インタビュー調査の整理・分析 上で示した(2)において実施した定性的な調査を分析した。具体的には、消費者のブランドに対する意識に関する要素を抽出し、ブランドを通した自己表現のあり方、すなわち、他者を意識したものと自分自身内での自己完結的なもの等の識別と行動類型、動機的側面の識別、ブランドを通して自己表現をすることによる消費者への影響、自己表現に用いられるブランドの特徴、ブランドを通した自己表現を行う上での消費者行動的な特徴等を分析し、仮説を抽出した。これら独自の仮説をもとに、学会報告を行った。その際、特徴的であり注目に値するカテゴリーとしてスポーツ・ブランドに絞り込んだ分析を実施した。
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