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2004 年度 実績報告書

企業再編会計における支配概念の意義と限界

研究課題

研究課題/領域番号 16730231
研究機関横浜国立大学

研究代表者

大雄 智  国立大学法人横浜国立大学, 経営学部, 助教授 (40334619)

キーワード企業結合会計 / 持分プーリング法 / 買収法 / 持分の継続性 / 支配の継続性
研究概要

平成16年度は、主に、アメリカと日本の企業結合会計基準の比較分析を行なった。また、アメリカの過去の企業結合会計基準と現在のそれとの比較分析も改めて行なった。
企業結合会計では、結合会社が被結合会社の資産・負債を簿価のまま引き継ぐか(持分プーリング法)、公正価値に評価替えして引き継ぐか(買収法)が重要な問題とされてきた。そこで、本研究では、資産・負債の評価替えをめぐる2つの考えかたを軸にして企業結合会計基準の分析を行なった。2つの考えかたとは、1つは、株主が持分を清算したとき、つまり、株主が企業成果のリスクを解消したときに評価替えをするという考えかたであり、もう1つは、企業が資産に対する支配を喪失したときに評価替えをするという考えかたである。前者では持分の継続性という観点からストックの評価が決められており、後者では支配の継続性という観点からそれが決められている。
分析の結果、ARB 40からAPBO 16にいたるかつてのアメリカの基準と、現在の日本の基準では、いずれも、持分の継続性から企業結合の実質が判断され、持分の清算が資産・負債の評価替えの根拠になっていることがわかった。また、持分の継続性という抽象的な概念が、支配の継続性を規準に具体化されている点も共通していた。それに対して、現在のアメリカの基準(SFAS 141)では、もっぱら支配の継続性から企業結合の実質が判断され、支配の喪失が資産・負債の評価替えの根拠になっている。そこでは、持分プーリング法が廃止されるとともに、持分の継続性という概念が否定されている。
SFAS 141は、持分の継続性という概念を否定することによって、持分プーリング法の濫用問題を解決したが、それは同時に、持分法や比例連結といった会計方法をどのように位置づけるのかという理論的な問題を生んでいる。この問題に対する検討が今後の課題である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 企業結合会計基準のフレームワークとその影響2004

    • 著者名/発表者名
      大雄 智
    • 雑誌名

      會計 166・6

      ページ: 71-85

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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