研究概要 |
本年度は,3年間にわたる研究計画の1年目にあたることから,文献解題と予備的な分析を中心に進めた,文献解題では多くの研究者との意見交換の必要性から,実証会計学ワークショップに参加(7回程度),また,報告についても行った.報告では,企業の立会外分売行動が会計情報の価値関連性に影響について考察したMarquardt C.A. ; Wiedman C.I.の"The Effect of Earnings Management on the Value Relevance of Accounting Information"を取り上げた.そこでのリサーチデザインは,本研究において解明しようとする「産業構造が会計情報の価値関連性に影響を及ぼす」という仮説の検証に対しても有効なものであり,今後の研究の展開に向けて参考にすべきものであった. 予備的な分析では,日本企業における財務データの統計的特性について検討し,2004年度統計学会連合大会において「財務データの特性と統計分析上の留意点」として報告した.なお,報告は共同で進めたが,主たる分析について実施しており,また第一著者となっている.そこでは,主に財務データの時系列な特性として会計基準の影響を強く受けるものであることを見出しており,この点について次年度以降の分析で視野に入れることが必要となることが明らかとなった.なお,この報告については研究ノートとしてまとめられ,オイコノミカ(名古屋市立大学経済学会機関誌)において掲載することとなっている.
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