本年度も引き続き、各地の都市再生の事例の収集を行った。地方都市では、福岡県北九州市のエコタウン、愛媛県新居浜市別子山のまちづくり活動、滋賀県長浜市の第三セクター黒壁を中心としたまちづくり、長野県長野市のまちづくり、長野県小布施のまちづくり、長野県下諏訪町のNPO法人匠の町しもすわのまちづくり、長野県富士見町のまちづくり、福島県喜多方・会津若松の蔵を中心としたまちづくり活動への巡検を行った。 都市圏に関しては、東京圏では、1)下町で幅広く行われている倉庫をリノベーションしてギャラリーとして使用している事例(新木場、八丁堀、月島など)、2)湾岸地区の東京オリンピック再開発地区視察、3)建て替え計画が進んでいる阿佐ヶ谷の公営住宅で、自宅を開放してギャラリーとしているTOTAN Galleryおよび、公営住宅周辺の視察を行った。京阪神圏では、1)大阪市中央区淀屋橋界隈のオフィスビル街のリノベーションによるまちづくりの視察を行った。 これらの事例をふまえ、これまでインテンシブに調査を進めてきた滋賀県長浜市の黒壁による都市再生を事例として、「地域経済とまちおこし」(地域社会学講座3巻に収録)として発表した。また、これまでの事例研究の成果として、滋賀県近江八幡市、彦根市、長浜市、北海道帯広市、徳島県上勝町の比較を行い「地域振興とまちづくりの様相と事例」(まちづくりの百科事典に収録、丸善 近刊)として公刊される予定である。 また、これまでの研究の成果を、長野県下諏訪および滋賀県長浜市において実際のまちづくりを行っているメンバーの勉強会において報告した。
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