1.岡山県と広島県のシングルマザーを対象に行った、就労を困難にしている要因に関するアンケート調査結果を、中国地方母子寡婦福祉連合会のシンポジュウムと日仏社会学会で発表した。この調査から、たとえば、製造業や建設業よりも、サービス業や医療・福祉の仕事を好んで選択していることが明らかとなった。また、母子家庭になったときに、資格を取得したいと思った人が多かったのに対し、実際に資格を取得した人は少ないことも明らかとなった。さらに、子どもが病気になるなどの緊急時の子育て支援のニーズが高いにもかかわらず、誰からも援助を受けることができなかった人が25.0%いることなども明らかとなった。 2.シングルマザーの会員確保に比較的成功している広島市の母子寡婦福祉連合会を対象に、会の活動と就労支援の現状と課題に関するインタビュー調査を行った。この調査から、たとえば、広島市から委託され、母子家庭等職業・自立支援センターを開催して以降、手厚い就労支援ができるようになったことが明らかとなった。一方で、就労意欲のない人をいかに就労に結びつけていくかという課題があることも明らかとなった。 3.韓国で、2つの母子福祉施設とシングルマザーを支援している女性団体に対して、韓国におけるシングルマザーの就労支援の現状についてインタビュー調査を行うとともに、韓国の母子福祉政策に関する資料収集を行った。母子福祉施設では、就労支援、子育て支援、心理的な支援、シングルマザーと家族との関係調整など、かなりきめ細やかな総合的な支援が行われていることが明らかとなった。 4.中国地方の寡婦を対象に、「就労の満足度とQOLとの関係」に関するアンケート調査を行った。
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