研究概要 |
1、「ソーシャルキャピタル」、「信頼」に関する既存主要文献の収集を積極的に行った。 2 既存アンケート調査の分析を通じて、介護サービス従事者の技能の内実を明らかにし、これらの技能がどのように伸びるのかについて実証分析を行った。介護サービス従事者の技能の内実については、従来型のテクニカルスキルやマネジメントスキルの他に、介護サービス従事者と利用者の関係構築維持・向上に必要なスキルとして、新しい概念である「気働きスキル」を提唱した。 「気働きスキル」の醸成には、Off・JTよりもOJTが特に重要であることが分かった。更に、介護サービス従事者の技能を伸ばすことができる組織についても検討した。組織的学習やそれを促す風土が「気働きスキル」の育成にプラスに作用していることが判明した。これらの結果をまとめて経営志林に掲載した。 3.アンケート調査分析によって、介護サービスの質を定義し、その規定要因について介護サービス従事者の技能、および介護サービスの従事者と利用者との関係に注目して検討した。ここでも「気働きスキル」が介護サービスの質を高め、利用者の生活改善へのモチベーション向上につながっていることが分かった。この結果を論文としてまとめ、経営志林に掲載した。 4.2004年9月に英国Leeds大学で開催された、ESRC Seminar on Gender Mainstreaming, the New Economy and New Employment Formにおいて、The Limits of the New Economy, Care work as Gendered Knowledge Workと題する発表を行った。その後引き続き英国Low Woodにおける国際ワークショップに参加し、各国の研究者と意見交換を行った。
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