日米大学生より収集したデータの分析結果は以下の通りです。まず第一に、Haganのパワー・コントロール理論とHofstedeの不確実性減少という概念を使って、11種類の逸脱行為に従事する頻度は、日米グループ共に男子学生の方が高いこと。又その性別間差異は、日本人学生の方が米国人白人学生よりも小さく、背景には、日本人男子学生の逸脱行動を控える傾向が強く作用していると仮説を立て、統計的に立証しました。尚この調査結果を記した論文は、修正し米国の某学術雑誌に再提出する予定です。 続いて、分化接触/社会学習理論について、3本論文を執筆しました。まず初めに、Tittleの"Shells of Illusion"とHofstedeの不確実性減少という概念を基に、仲間の逸脱行動が自身の逸脱行動に及ぼす影響は、日米グループ共に男子学生の方が強いこと。又その性別間差異は、日本人学生の方が小さく、背景には、日本人男子学生が仲間の逸脱行動に感化されにくい傾向が強く働いていると仮説を立て、統計的に立証しました。次に、Hofstedeの不確実性減少という概念を使って、日本人学生が米国人学生よりも逸脱行動を控える傾向は、逸脱行動に従事する仲間の数が少ないことに起因すると仮説を立て、統計的に立証しました。最後に、仲間の逸脱行動と逸脱支持の姿勢が自身の姿勢に影響を及ぼし、果ては自身の行動に作用するという因果関係を日米で比較検証しました。Hofstedeの個人主義という概念を用いて、仲間の逸脱行動と逸脱に対する姿勢が自身の姿勢にもたらす影響の度合いは、日本人学生の方が大きいこと。一方、自身の姿勢が行動に及ぼす影響度は米国人学生の方が大きいと仮説を立て、統計的に立証しました。これら3本の論文は、学術雑誌に投稿すべく、現在、米国人共著者が推敲しております。
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