研究概要 |
研究初年度である本年は,まず,基幹型在宅介護支援センターの地域ケア会議に関する文献を収集した.在宅介護支援センターの実践やその援助のあり方,及び援助の実態調査などに関する文献は多々あるものの,地域ケア会議に関する研究論文は数少なかった. また,地域ケア会議は多職種・多機関の連携の場として位置づけることが出来るが,その理論的な背景について検討するために,チームケア・多職種連携に関する文献を収集し・整理した.この一部を,社会福祉教育の観点から捉えなおして,論文「ソーシャルワーク教育におけるインタープロフェッショナル教育の意義と役割」にまとめた. 一方,基幹型在宅介護支援センターは,域内地域型センターの後方支援を行なう機能も併せ持つことから,地域型在宅介護支援センター職員への聞き取り調査を行った.経営(者)、別の担当者、基幹型センター、地域住民の認識、行政組織、他事業所、等との間には有る種の相克がありお,それは保険と公費のサービスを、介護報酬、人件費補助、事業費補助が混在して経営する一法人の担当者が担わざるを得ないことが、大きな要因であることが示唆された. さらに,有効な会議運営及び組織運営についての示唆を得るために,コミュニケーション技術に関する文献,ファシリテーションに関する文献,交渉技術に関する文献,グループプロセスに関する文献,そして組織論に関する基礎的な文献を収集し,必要なトピックをまとめた. これらの課題認識を経て,いくつかの基幹型在宅介護支援センターの地域ケア会議に出向き,研究協力を依頼し,データの収集を行なった.会議内容は逐語録化し,現在分析を行なっている.
|