EU、アメリカ合衆国およびブラジルで実施済みもしくは実施予定の人種問題に関する社会調査との比較分析を行うため、調査票の内容を一部共通化する作業を内外の研究者と協力して行い、現在、最終的な調整を行っている。この共通化作業によって、当初の研究計画には含まれていなかった精神衛生などに関する項目の重要性が浮かび上がり、他の調査項目との関連などについてリモデリングを行った。 予備的調査として日本に在住する日本人、華人華僑、コリアンのそれぞれについて、民族的背景を持つ行事、儀式への参加状況、参加動機などについて半構造化面接法にょる質的調査および新聞・雑誌の内容分析を実施した。また1999年から2000年にかけて実施した、華人華僑と在日コリアンの相互イメージに関するフォーカス・グループ・インタビューについて再分析を行い、今回の調査研究上重要となるポイントを再確認および明確化した。これらの予備的調査・分析は、効果的な調査票の作成に寄与すると考えられる。分析の結果については2005年度に実施予定の本調査および追加調査への影響を回避するため、研究課題終了後に報告する。 調査票調査実施に向けた準備作業を進め、横浜市の有権者名簿より980人を調査対象者として確定した。なお一部の区の有権者名簿は閲覧停止中のため、平成2005年4月後半以降に追加抽出を行い、日本人対象者1000人を最終的に確定させる予定である。なお研究代表者の所属機関変更など技術的な問題のため、当初2004年11月〜12月に予定していた調査実施時期を、2005年5月〜6月に変更する。
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