研究概要 |
競争相手としてライバル設定し,ライバルに対する競争意識・競争結果に対する原因帰属・対処行動,ライバルがもたらす影響について検討した.これらの成果を愛知工業大学研究報告(第40号A,第41号A)および東海心理学研究に報告した.これらの研究では,自身の行動を促進させる存在としてライバルが機能することが示された. そして,競争場面における目標志向性について検討し,「勝利志向」「努力志向」「関係維持志向」の3志向を抽出した.この成果は愛知工業大学研究報告(第40号A)に掲載された.この結果を元に競争場面であると明示しない状況における,競争への誘引価の高低による目標志向性の変化について調査を実施した.勝利することによって得られる報酬が明確であるほど競争的な目標志向性が高まるが,もともとの競争心が低い場合,場面の競争への誘引価が高まるほど,却って競争的な目標志向が低下するという交互作用も認められた.この成果は愛知工業大学研究報告に報告した(第41号A). 以上の知見を元に,競争的な状況において,競争の種類が集団間競争または個人間競争となる場面に対する目標志向性および原因帰属・対処行動に関する調査を実施した.成果の一部は日本社会心理学会にて報告した.個人間競争よりも集団間競争の方が競争への誘引価が高まると競争的な目標志向が高まるという結果が示された.続いて,競争相手としてライバルを設定した場面における目標志向性に関する調査を実施している.成果の一部は日本心理学会および日本社会心理学会において報告予定である.
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