• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

発達障害児の他者認知と逸脱行動の関連

研究課題

研究課題/領域番号 16730326
研究機関大阪大学

研究代表者

安田 純  大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (30324734)

キーワード逸脱行動 / 他者認知 / 介入行動 / 発達障害
研究概要

5歳齢保育園児の逸脱行動とそれに対する保育士の介入行動についてデータの収集および検討を行った結果、幼児の逸脱行動に対し、保育士は児の名前を呼ぶ行動や、児の行動に対し指示、命令を行うことが多く認められた。また、保育士が介入を行った逸脱行動を示した幼児には、性差は認められず、保育士からの介入に対する児の反応にも顕著な違いは認められなかった。幼児の保育士の介入に対する反応について、保育士が介入を示した際に児を見ていた場合や、保育士の介入方略の一つである「質問」の継続時間が長かった場合には幼児の逸脱行動が抑制されることが明らかとなった。
5歳齢児の逸脱行動およびそれに対する保育士の介入行動を、3歳齢児を対象とした同様の観察と比較すると、保育士の介入行動は年齢が異なっても同様の方略、例えば「呼称」や「指示・命令」、を用いることが多いことが明らかとなった。これは保育園という環境の中で、幼児の逸脱行動に対する保育士の関わりかけが、比較的一貫していることを示している。一方、幼児の行動については、保育士の「見る」行動に対して、5歳齢児で頻繁に反応しており、他者の視線を認知することにより、自身の逸脱行動を抑制することが示唆された。発達障害を有する児に対しての保育士の介入行動は、健常児に対するそれとは異なり、接触等のより直接的なものであった。
上記の研究とあわせて、保育園において、保育士の特別な配慮が必要と思われる幼児の調査を継続して、実施した。4歳齢から6歳齢までにおいて、各年齢において、特別な配慮が必要な幼児が1〜3名程度存在していた。その内容は、「集団場面において逸脱しやすい」、「食事時の偏食が強い」、「他児に対して攻撃的である」等が挙げられ、多くの場合は社会性に関して課題がなお、存在することが認められた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Discipline in a nursery school.2006

    • 著者名/発表者名
      YASUDA, J., HINOBAYASHI, T., MINAMI, T.
    • 雑誌名

      19^<th> Biennial Meeting of the International Society for the Study of Behavioural Development. (on CD-ROM)

  • [雑誌論文] 超低出生体重児の学齢期における心理・行動 -その49 気質傾向と心理検査の関連-2006

    • 著者名/発表者名
      安田純, 金澤忠博, 北村真知子, 糸魚川直祐, 南徹弘
    • 雑誌名

      日本心理学会第70回大会発表論文集

      ページ: 1112

  • [雑誌論文] 超低出生体重児の学齢期における心理・行動 -その51 広汎性発達障害の出現率と学習問題・行動問題との関連-2006

    • 著者名/発表者名
      金澤忠博, 安田純, 北村真知子, 糸魚川直祐, 南徹弘, 藤村正哲
    • 雑誌名

      日本心理学会第70回大会発表論文集

      ページ: 1114

  • [雑誌論文] 身体接触をともなう幼児の仲間関係2006

    • 著者名/発表者名
      山川咲子, 安田純, 日野林俊彦, 南徹弘
    • 雑誌名

      日本心理学会第70回大会発表論文集

      ページ: 1106

  • [雑誌論文] 席取り行動からみた幼児の仲間関係2006

    • 著者名/発表者名
      安田純, 日野林俊彦, 南徹弘
    • 雑誌名

      日本発達心理学会第18回大会発表論文集

      ページ: 690

  • [雑誌論文] 幼児期の身体接触を伴う仲間関係の発達的変化2006

    • 著者名/発表者名
      山川咲子, 安田純, 日野林俊彦, 南徹弘
    • 雑誌名

      日本発達心理学会第18回大会発表論文集

      ページ: 696

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi