研究概要 |
本年度は,項目反応理論を用いた新しい中学生用ストレス反応尺度の開発のために,大量の項目プールを作成することを第1の目的とした.まず,国内外のストレスに関する多くの先行研究(文献,論文等)を再度レビューすることからはじめた.中学生を対象としたストレス反応尺度に限らず,小学生,高校生,大学生,成人を対象としたものまで幅広いストレス反応尺度を集めた.また,心理学の分野で開発された尺度に限らず,あらゆるストレス反応尺度を検討しながら項目を収集した.さらに,ストレス反応尺度だけではなく,問題行動,不登校等の研究からストレス反応に関する内容を選び,項目に加えた、その他に,実際に中学生に面接を行い,なるべく自由な会話の中から,中学生の心理,身体,行動面のストレス反応項目となる反応を出来るだけたくさん収集した.加えて,専門学校生のストレスに関する自由な記述から,ストレス反応と考えられる項目を選択し,リストアップした.一方で,項目反応理論を用いた尺度開発のために,従来の中学生用ストレス反応尺度で行った調査のデータを項目反応理論によって項目分析した,予備調査のための項目選定には,この分析結果を参考とした.さらに,項目の選定にあたっては,現在スクールカウンセラーとして働いている者2名の意見を参考にしながら項目表現を改良するなどした,あわせて,現職の中学校教員からも項目の選択,項目表現等に関して意見,助言を得た.このようにして,集めた項目群を用いて予備調査のための準備を整えた.
|