研究概要 |
本年度では、研究2年度にあたり、事例データベースへの事例情報の入力、スクールカウンセリングを中心とした積極的な相談活動、それらをもとにしたSC教育プログラムの作成及び授業研究を行った。 その中で、「解決志向アプローチのための事例データベース作成の試み」では、前述の事例データベースの作成とそれを用いた今後の研究方針について、自らの考えを述べた。 また、「Solution-Focused-Therapyを用いて、家族関係の改善がみられた不登校生徒保護者の一事例」、「教師と連携しながらウノを媒介として関わった相談室登校児童の1例」では、学校システムと連携しながら、学校場面の様々な問題に対応する具体的な手法について提案している。前者では、中学1年生の不登校男子の保護者に対して、例外や資源に着目した面接を行い、早期に家族関係の改善が見られた事例を紹介し、Solution-Focused-Therapyを用いる有効性が示唆された。後者では、小学校6年女子の不登校から相談室登校,教室入室を果たした事例を紹介し,考察を加えた。筆者が教師と連携し,E子が意思表示しないことに注目し,ウノを通して関わりながら,意思表示できるように変えることを行っている。 また、授業研究として「学生の意見、アイデアを取り入れた授業方法の改善に関する研究 その5 -解決志向アプローチの質問方法を用いて-」を行い、学生の意見を取り入れた授業方法改善の過程を検討し、結果として学生の意見、アイデアを取り入れることにより授業評価が上がっていったことが立証できた。 その他にも教育業績として1編論文を発表した。 来年度はこれらの成果を踏まえて、研究を総括したい。
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