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2005 年度 実績報告書

死別後の不適応遺族を予測するリスク評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16730360
研究機関関西福祉科学大学

研究代表者

坂口 幸弘  関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 講師 (00368416)

キーワード遺族ケア / 死別 / リスク評価 / 不適応因子 / 精神健康 / ホスピス / 喪失体験 / 質問紙調査
研究概要

今年度は、死別後の不適応を予測する有効な因子を探索することを目的に、看護師によるリスク評価を実施し、昨年度調査した遺族の精神健康状態との関連性を検討した。昨年度の遺族調査で有効回答が得られた遺族のうち、配偶者を亡くした87名に関して、患者のプライマリーナースであった看護師に回答を求めた。調査の結果、18名の看護師から、78名の配偶者喪失者についての回答が得られ、回収率は88.6%であった。回答した18名の看護師の看護師経験は6〜15年で、平均8.9年であった。本人及び看護師からの回答が得られた配偶者喪失者78名の性別は男性24名、女性54名であり、年齢は37〜85歳で平均64.3歳であった。死別からの経過期間は7-21カ月で、平均13.8カ月であった。調査内容は、遺族のリスク評価尺度26項目と、主観的なリスク総合的評価(11件法、0〜10点)である。調査の結果、GHQ-28もしくはCES-Dと有意な相関関係を示すリスク評価項目は認められなかった。また、総合的なリスク評価と、GHQ-28及びCES-Dとの相関関係も見られなかった。今回の結果は、家族と看護師との認識の不一致の可能性を示すものであり、本研究でリスク関連事象と想定した家族(遺族)の心理社会的状態を第三者が評価することの難しさを示唆するものであると考えられる。また、本研究では看護師の総合的なリスク評価と遺族の精神健康の状態との関係も示されず、看護師による総合評価が最も予測力が高いとしたParkesらの研究報告を支持することはできなかった。ただし今回の調査では、調査時から7〜21か月前時点の家族の状態を尋ねており、看護師の記憶の低下による回答の歪みが推察されるため、結果の解釈にあたってはこの点に留意する必要がある。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 遺族のリスク評価法の開発-死別後の不適応を予測する因子の探索-2005

    • 著者名/発表者名
      坂口幸弘, 他
    • 雑誌名

      死の臨床 28(1)

      ページ: 87-93

  • [雑誌論文] 全国調査にみるホスピス・緩和ケア病棟のグリーフケアの現状と課題2005

    • 著者名/発表者名
      坂口幸弘
    • 雑誌名

      緩和ケア 15(4)

      ページ: 312-316

  • [雑誌論文] グリーフケアの考え方をめぐって2005

    • 著者名/発表者名
      坂口幸弘
    • 雑誌名

      緩和ケア 15(4)

      ページ: 276-279

  • [雑誌論文] 公立総合病院の一般病棟における遺族ケアの現状と看護師の意識2005

    • 著者名/発表者名
      坂口幸弘, 他
    • 雑誌名

      看護実践の科学 30(10)

      ページ: 72-77

  • [雑誌論文] デス・エデュケーションに関する意識調査2005

    • 著者名/発表者名
      赤澤正人, 坂口幸弘, 中西健二他
    • 雑誌名

      ホスピスケアと在宅ケア 31(1)

      ページ: 23-27

  • [雑誌論文] Why are bereaved family members dissatisfied with specialized inpatient palliative care service? A nationwide qualitative study2005

    • 著者名/発表者名
      Shiozaki M, Morita T, Hirai K, Sakaguchi Y, Tsuneto S, Shima Y.
    • 雑誌名

      Palliative Medicine 19

      ページ: 319-327

  • [図書] 緩和・ターミナルケア看護学(鈴木志津枝・内布敦子(編))第8章 家族・遺族ケアの方法2005

    • 著者名/発表者名
      坂口幸弘
    • 総ページ数
      253-268
    • 出版者
      ヌーヴェルヒロカワ

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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