研究概要 |
今日男女雇用機会均等法などの影響もあり,女性は結婚・出産を経た後も何らかの仕事を継続する傾向が強くなってきている.しかし,こうした働く女性に対するサポート体制は未だ十分とは言えない.出産休暇,育児休暇という制度があるにもかかわらず,会社において気軽にこうした休暇を申請し,休暇の後には職場に戻るということが困難なケースが少なくない.またそれ故に結婚はしたものの,出産はしないという道を選択する女性も多く,少子高齢化が進む一要因となっている.こうした状況の中で仕事を継続しながら出産・育児を行っている女性をサポートしていくシステムを社会の中で構築していくことは現代社会において急務である.本研究では,1)健診データを用いた母子のメンタルヘルスに関する研究,2)働く女性のメンタルヘルスに関する国際比較研究を実施し,働く女性に対するサポート体制を今後よりよいものにしていくための有益な情報を提供することを目的とする,本研究では膨大な情報量のデータを扱うため,また個人情報保護の問題を重視しなければならないため,本研究専用の最新高性能情報処理環境が必要である.よって最初に,働く女性とその子どもの健診データの収集分析を行うための設備備品等の準備を行った.続いて,健診データを集める際に同時に実施する心身の健康状態,ソーシャルサポートなどを質問するアンケート用紙を作成するための文献研究を行った.また国際比較研究を行うため,働く女性のメンタルヘルスに関する国内外の先行研究を網羅的に収集し,文献研究を行った.本研究は今年度に新規採択された訳であるが,年度半ばにおける追加採択であったため,応募書類提出時に予定していたものとは少々進捗状況が異なる.次年度は,データ収集及び分析を行う.また国際比較研究をさらに進め,各々論文の形に纏めていく予定である.
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