研究概要 |
本研究は、「学校のアカウンタビリティ」について、教育委員会や学校管理職、教員がこれをどのように意識しながら教育活動を行っているのかについて分析することを目的としている。このような研究目的に基づき、本年度は以下の通りに研究を進めた。 1.質的調査を通してのデータ収集 昨年度、文献調査を通してアカウンタビリティを分析する際の視点を次のように設定した。即ち、who holds(誰がアカウンタビリティを負うのか),to whom(誰に対して負うのか),for what(何に関して負うのか),what level(どのレベルのアカウンタビリティを負うのか),what consequences(アカウンタビリティを果たせた、あるいは果たせなかった場合、どのような結果が生じるのか),when(アカウンタビリティはいつ果たされるのか),how(どのようにしてアカウンタビリティを果たすのか)である。昨年度同様、今年度もこれらの視点を用いて、実際に教育委員会職員や学校管理職、教員を対象にインタビュー調査及び関連活動の観察調査を行った。具体的には、2つの都道府県においてそれぞれ、教育委員会の高等学校アカウンタビリティ向上政策担当職員1名、公立高等学校3校に関して、各校において校長、教務主任、教員2名の計4名、合計で1県につき13名へのインタビューを2県で行った。つまり、今年度は合計で26名に対してインタビュー調査を実施した。併せて、インターネットや各教育委員会及び各校を訪問した際に関連する文書も収集した。 2.国際的視野からの比較検討 「どのようにして学校のアカウンタビリティを高めるのか」という課題は、多くの先進諸国で進行中の教育改革における共通の協議事項となっている。そこで、日本でのアカウンタビリティ政策を広く国際的視野で比較分析するために、他国の状況に関しても分析した。対象としては、カナダ・オンタリオ州を選択した。そこでは主に教員評価制度及び学力向上政策に焦点を当てた。
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