1.現地での資料収集およびフィールド・ワークの実施 (1)タイ調査…2005年12月にタイにおいて現地調査を実施した。調査地はバンコクを中心とし、タイ人留学経験者関連の諸組織・団体を訪問した。主な訪問先は在タイ日本国大使館、タイ国元留学生協会、日本国費留学生会、タイ政府派遣元留学生会、タイ国全米大学同窓会、タイ教育省、およびタイ国人事院であり、研究課題に関する資料収集を行うとともに、タイ人留学経験者を対象にインタビュー調査等によりタイ人留学経験者の現状を明らかにした。 (2)アメリカ調査…2006年3月にアメリカにおいて研究課題に関する資料収集を行った。主な訪問先はタイ人留学生のみならず、外国人留学生を積極的に受け入れているミネソタ大学であり、特に留学生センターの業務を中心に受け入れ前から受け入れ後のケアまでの支援体制を調査した。また、同大学に在籍しているタイ人留学生に対する聞き取り調査を実施し、タイの留学経験者組織とのネットワーキングの実態について調査した。 2.研究成果の公開 主に現地フィールド・ワークの成果を踏まえ、国際学会で2回の研究発表と全国雑誌で1回の研究論文投稿を行った。 (1)学会発表…2005年5月30日〜31日、アジア比較教育学会第5回大会において、「Function and Networking Potential of Japan Alumni Associations in Thailand」というテーマで発表を行い、タイの日本留学経験者組織の機能とそのネットワークキングの可能性について検討した。また、2006年3月14日〜18日、北米比較・国際教育学会第50回大会において、「Thailand's Higher Education Strategies : The Globalization Challenges」というテーマで発表を行い、グローバリゼーションの影響によるタイ国内の高等教育の国際化の動向を中心に分析した。 (2)全国雑誌への研究論文投稿…2006年2月に全国雑誌『留学交流』第18巻第2号に、「タイにおける高等教育の国際化と留学生施策の動向」というテーマの研究論文を投稿し、掲載された。タイ国内の高等教育国際化が急激に進展する中で英語による教育プログラムが拡大し、海外留学のプッシュ要因である英語教育ニーズをタイ国内でまかなうことができるようになり、それがタイ人留学生の海外留学停滞を招いている状況を分析した。
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